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レンズの先に広がる、発見と感動の新世界
望遠鏡で見る世界には感動がいっぱい。
肉眼では見ることができない鮮やかな世界は、好奇心をきっと刺激することでしょう。
ここでは、双眼鏡、天体望遠鏡、スポッティングスコープを初めて使う方のために、それぞれの見え方や、目的に適した製品の選び方、正しい使い方などをご紹介しています。
ご自分に合った双眼鏡や望遠鏡を選んで、新しい出会いと発見をお楽しみください。
*「遠くを見てみよう」パンフレット(PDF)にも同様な内容が掲載されています。PDFですのでダウンロードしたりプリントをしてお楽しみ頂けます。
双眼鏡の選び方、正しい使い方
双眼鏡の魅力
そのとき双眼鏡があれば、楽しさがスケールアップ
両眼で見ることによって、立体感を与え、見やすくしている望遠鏡を「双眼鏡」と言います。接眼レンズを通して鮮明な像を見ると、肉眼の何倍も迫力がスケールアップ。感動と想いでが、より大きくなります。
双眼鏡は、バードウォッチングなど動植物の生態観測、スポーツ観戦、観劇、ドライブ、旅行、登山、天体観測など、楽しさを広げるレジャー用、また航海、漁業、救難などの業務用と、広範な分野で活躍しています。
・バードウォッチング・自然観察に
遠く離れた場所から野生の鳥や動物を見ることで、目標物に人間の存在を気づかれることなく、あまり見ることがないくつろいだ表情を観察することができます。
小型・中型の6-10倍程度がお奨めです。
・スポーツ観戦・旅行・ハイキングに
試合の流れだけでなく、先週の迫力溢れる動きや表情までくっきりと見ることができます。また、旅行・ハイキングの際に持っていくと、楽しい思い出がきっと増えます。
小型な8-10倍程度がお奨めです。
・コンサート鑑賞、観劇に
演奏家の指先の動きを追うことで、テクニックを発見できます。また、俳優の目線やしぐさをつぶさに見られるなど、コンサート・安劇の新しい楽しみができます。
小型で6-10倍程度がお奨めです。
・天体観察・マリンスポーツに
三脚に装着すれば、双眼鏡でも鮮明な表情の月やきらめく星座を楽しむことができます。
また、マリンスポーツ等、海や水辺でのご使用や悪天候に備えるならば防水タイプがあります。
小型から大型まで、8-15倍まで、用途によってお選びいただけます。
これら用途別の楽しみ方は「バードウォチングホームページ」「双眼鏡の楽しみホームページ」をご覧ください。
双眼鏡の各部名称
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双眼鏡の選び方
選ぶときのポイントは、倍率、対物レンズ有効径、視界。
双眼鏡の性能と見え方は「倍率」「対物レンズ有効径」「視界」の3つであらわされます。
この情報は双眼鏡本体に表示されています。
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一般的には倍率7-8倍、対物レンズ有効径35mm程度がお奨めしますが、「見やすい倍率」は何を見るかによって異なりますので、販売店を訪れる前に目的を決めておきましょう。
倍率が大きくなるほど、像は大きく見えます
倍率は肉眼で見たときの物体の大きさと、双眼鏡でのぞいたときの大きさの割合を表します。
倍率が大きくなるほど対象物は大きく見えますが、手持ちでは10倍以下の倍率をおすすめします。これ以上倍率が高くなると手ブレでみづらくなることがあります。
対物レンズ有効径は大きいほど、明るさが向上します
対物レンズ有効径とは、対物レンズの口径のこと。有効径が大きいほど光を集める力が大きく、像の明るさが向上します。但し、大きく重くなる傾向があります。
ひとみ径の直径が大きいほど、明るさアップ
接眼レンズを30cmほど離して見ると現れる明るい円形のこと。直径が大きいほど明るくみえます。また、ひとみ径は「対物レンズ有効径÷倍率」で表わせます。従って、同じ口径の対物レンズですと倍率が高くなるほど暗くなって見難くなります。
実視界が広いほど見える範囲がワイドに
視界とは双眼鏡をのぞいたときに見える範囲のことで、角度で表わします。また、双眼鏡を動かさずに見ることができる範囲を実視界といいます。実視界の広い双眼鏡は狙った被写体を追いかけたり、探したりするのに、とても便利です。
*倍率、対物レンズ有効径、視界等の技術的解説は、「双眼鏡。望遠鏡の基礎知識:技術編」をご覧ください。
双眼鏡の正しい使い方
双眼鏡は特別な操作をしなくても、のぞけばある程度は見ることはできます。しかし、正しい使い方で見ればより鮮明な像が目の前に広がります。
性能をフルに活用するために、正しい使い方を知っておきましょう。
1.準備
① ストラップを首に下げ、胸の少し上あたりに双眼鏡がくるように長さを調整します。
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ストラップを見やすい長さに調整します
② アイポイントを合わせます。
双眼鏡本来の視界を見渡せるように、目当てゴムの高さを合わせケラレの無い位置に調整します。メガネをおかけの方は、目当てゴムを折り曲げた状態でお使いください。
目当てがポップアップ式、ツイストアップ式の場合は、目当てを引き出して調整してください。メガネをおかけの方は、目当てゴムを収納した状態でお使いください。
2.眼幅を合わせます
眼幅とは左右のひとみとひとみの間隔をいいます。日本人の平均は63ミリですが、人によって多少違いますから、両手で本体を持ち、左右の結合部をゆっくり折るように動かします。接眼レンズをのぞき、左右の目で見える二つの円がきちんと重なればOKです。その位置が、あなたのひとみの間隔ですので、この位置の眼幅目盛を覚えておくと便利です。

角度を変えて目の幅に合わせます
3.視度を合わせます
ここでは、一般的な中央繰り出し式(Central Focusing=CF型)の場合で説明します。
あなたの左右の視度が同じなら接眼部の視度目盛を0に合わせ、中央部の視度調整リングを回してピントをあわせれば、両目でハッキリと像を見ることができますが、通常、左右の視度は異なる方が多いと思います。
① 看板の文字など一点の目標を決めます。
② 左の目だけで左の接眼レンズをのぞき、左接眼部のピントリングを回して目標にピントを合わせます。

視度調節のやり方は機種によって異なりますので、
取り扱い説明書をよく読みましょう
③ 右の目だけで右の接眼レンズをのぞき、中央部の視度調整リングを回して目標にピントを合わせます。

④ これで左右の違いが調整され、両眼のピントのずれが解消します。あとは、中央のピントリングを回すだけで両眼同時にピント合わせができます。
*双眼鏡には中央繰り出し式(Central Focusing=CF型) の他に、IF式(Indivisual Focusing)があります。IF式は、片眼ずつ視度調整リングを回してピントを合わせる方式で、気密性が高めた防水型双眼鏡に使われています。視度調整のやり方は機種によって異なる場合がありますので、取扱説明書をよく読みましょう。
4.見やすい構え方
手持ちで使用する場合は、脇を締めて両手でしっかりと双眼鏡を持ちます。ひじの角度を60度ぐらいにして双眼鏡を支えると像が揺れにくく、目が疲れません。また、木立や杭を三脚がわりに使うと、ブレが軽減されます。
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木立やクイを三脚がわりにします
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脇を締めて両手でしっかり持ちます
使用上の注意
・ 双眼鏡で太陽を直接見ると危険です。絶対に見ないでください。子供には特に注意が必要です。

・ プライバシーを侵害することがないよう、人の家などを覗かないようにしましょう。民家の近くを歩くときには、キャップをするなど気をつけましょう。
・ 歩行中の使用は危険です。衝突や転倒、思わぬ事故の原因になることがあります。また、ストラップを振り回したりしないよう注意しましょう。
・ ケース、ストラップ、目当てゴム等は長く使ううちに劣化する場合があります。そのような場合はお買い求めの販売店またはメーカーにご相談ください。
購入時のアドバイス
・ 倍率の高い双眼鏡は、三脚の使用が望まれます。一般の双眼鏡でも、固定点の観察にその必要が生じますので、三脚アダプターつきの双眼鏡を求めておくと便利です。
・ メガネをご使用の場合、目当ゴムを折り返して使うように説明をしましたが、倍率の高いもの、広視野のもの等には、アイポイントが低いため、ケラレが生じる場合があります。そのような場合は、ハイアイポイント双眼鏡を選ぶようおすすめします。倍率は、中型で8倍、大型で10倍位までですが、接眼レンズと目との距離が大変長く設計されており、ゴム目当ての折り返し部分代が長く、全視野が見やすいようレンズ設計されています。
・ 双眼鏡を購入するときは、メーカーの保証書がきちんとついているものを選びましょう。保証書が付いているものは、品質が信頼でき、アフターサービスも受けられます。尚、購入時は販売店名等の捺印、あるいはシール等が付いているか、必ず確認してください。
・ 視度を調整する視度目盛環の回転、ピント合わせ機構の中央転輪の回転、接眼部の上下移動がスムーズで、ガタツキがないものを選ぶことをお勧めします。
・ レンズのコーディングは双眼鏡の明るさ、つまり見え味に大きな影響を与えます。多層膜コーティングをしたものは、単層のコーティングでは除去できなかった反射光を、二重三重のコーティングによって減らすので、より明るくてシャープな視界が得られます。
・ 手頃な双眼鏡とは、倍率は5~10倍程度、明るさは「ひとみ径」2~7mm程度の範囲で、口径は50mm以内といえます。大事なことは、必ず実際に手にして、のぞいて見て確認してから、自分に一番ぴったりの双眼鏡を選ぶことです。
望遠鏡の種類と楽しみ方
望遠鏡には主として地上観察用のスポッティングスコープと天体観察用の天体望遠鏡があります。
スポッティングスコープの魅力とその楽しみ方
三脚に取り付けて観察する単眼の地上望遠鏡です。
双眼鏡に比べて高倍率で焦点距離も長いため、遠く離れて近寄ることができない目標物がくっきりと観察できます。
*「スコープを使ったバードウォチングの楽しみ方」は「バードウォチングホームページ」もご覧ください。
スポッティングスコープの種類と選び方
スポッティングスコープには直視型と傾斜型があります。
直視型は鏡筒と接眼レンズを一直線上に配置した設計です。目標物をすばやく視野に入れることができます。小型軽量のため、持ち運びも簡単、自然観察やデジスコに向いています。初心者にはお奨めです。
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[直視型]
鏡筒と接眼レンズを一直線上に配置した設計です。目標物をすばやく視野に入れることができます。小型・軽量のため、持ち運びも簡単。自然観察やデジスコに向いています。初心者にはこのタイプをおすすめします。
傾斜型は、鏡筒に対して接眼レンズが傾いてる設計です。楽な姿勢でのぞくことができますので、高い位置の目標物の観察や、長時間の観察でも疲れが少なくてすみます。
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[傾斜型]
鏡筒に対して接眼レンズが傾いている設計です。ラクな姿勢でのぞくことができますので、高い位置の目標物の観察や長時間の観察でも疲れが少なくてすみます。
また、スポッティングスコープは対物レンズの大きさや接眼レンズ等によって見え方が違ってきます。
・対物レンズ直径(有効径)が50mm位の製品は小型軽量で携帯性にすぐれ、気軽に持ち運べます。
・対物レンズ直径(有効径)が60mm以上の製品は明るさが確保され、迫力のある像を観察できます。スポッティングスコープの標準サイズです。見たいものによって最適なスコープをお選びください。
・対物レンズ直径(有効径)が80mm以上の製品は、明け方や夕暮れなど、暗い天候中でも観察が容易です。月など一部の天体観察も可能です。
・スポッティングスコープは接眼レンズを交換することで倍率の変更ができます。
一般的に接眼レンズの倍率は、山での観察は15-40倍程度、水辺での観察は30-60倍程度が目安です。ズームレンズは1本で低倍率から高倍率まで観察できますが、固定倍率と比べると視野がやや狭い傾向があります。
尚、レンズの性能の違いも採用しているガラス材料や設計によっても異なります。また、屋外で使用することが多いので、防水機能を有していることも重要です。
デジスコの魅力
デジスコとは、スポッティングスコープを望遠レンズとし使用し、アダプターを介してデジタルカメラで撮影するシステムのことです。
詳しくは「デジスコ紹介ページ」をご覧ください。
天体望遠鏡の魅力、種類と選び方
天体望遠鏡はレンズや反射鏡を用いて光を集め、月や惑星、星雲、星団など、さまざまな天体を拡大して見るための光学機器です。
天体望遠鏡は大きく分けて、星を見るための「鏡筒」部分と「鏡筒」を載せる「架台」部分から構成されています。
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[屈折式望遠鏡]
筒先の対物レンズ(凸レンズ)で集めた光を、接眼レンズで拡大して見る方式。鏡筒内の空気の動きが少ないため視界の像が安定し、コントラストのよい広い視野で星を見ることができます。また、観察する天体の方角に向かってのぞくため、目標を見つけやすいことも特長です。使用・保管・手入れがとても簡単。万能タイプの望遠鏡です。
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[反射式望遠鏡]
反射鏡(凹面鏡)で集めた光を筒の中で90°曲げ、筒外に引き出し、接眼レンズで拡大して見る方式。鏡を使うため天体の周りに色のにじみ(色収差)が出ないことが特長です。特に星雲・星団などの暗い星の観察に威力を発揮します。なお、鏡筒の先端が開いているため鏡筒内の空気が混ざり合い、安定して観察するまでにやや時間がかかります。
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[カタディオプトリック式望遠鏡]
反射望遠鏡と屈折望遠鏡の長所を合せた望遠鏡。反射望遠鏡をベースに、レンズの特性を利用した補正レンズを組み合わせた光を、接眼レンズで拡大して見る方式です。大口径ながら比較的コンパクトなため、携帯性に優れた大型鏡筒を作ることができます。ベースとなる光学系と補正レンズの組み合わせにより、いくつかの方式があります。
■架台の種類
望遠鏡を載せる台を「架台」といいます。これには「経緯台式」と「赤道儀式」があります。それぞれの特徴を理解した上で、目的にあった種類を選びましょう。
[経緯台式]
カメラの三脚のように、上下左右に動かして天体を探したり、追ったりする架台です。構造がシンプルで、組み立てや取り扱いも簡単。初めてお使いになる方におすすめです。
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[赤道儀式]
日周運動(地球の自転)に合わせて天体を追うことができる架台です。一度とらえた天体を、一方向の回転だけでいつまでも追い続けることが可能です。長時間露光による天体写真撮影や高倍率撮影には必需品。
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*天体観察の魅力は「スカイウォチングホームページ」をご覧ください。
*天体望遠鏡の詳しい種類別の構造や倍率、対物レンズ有効径、視界等の技術的解説は、「双眼鏡、望遠鏡基礎知識:技術編」をご覧ください。